近畿地方からNICOプロジェクト(以下、NICO)を通して日本語等を学んだSさんに、受講の感想を聞きました。
Sさんは2019年1月からNICOを受講し、3月の高校入試に見事合格。4月から、新たな高校生活を送っています。
インタビューを1分あまりでまとめた動画です。ご覧ください。
以下、インタビュー全体の書き起こしです。
新しい高校生活
インタビュアー(以下、I) この春、高校に行くんですよね。
Sさん(以下、S) はい。
I どんな気持ちですか?
S 緊張してますよ(笑)。
I 学校には同じフィリピンルーツの生徒はいますか?
S はい。少しですけど。
I もうその人たちに会いましたか?
S まだです。
I 他にも外国にルーツをもつ生徒はいますか?
S 入試のときに一人会いました。ブラジル人です。でも彼は日本で中学校を卒業したので、日本語がすごく上手でした。
I 彼と話しましたか?
S はい。
I 日本語で?
S いや、英語で(笑)。でも最初に名前を聞くときだけ、日本語で話しましたよ。
I 彼は英語を話せるんですか?
S ちょっと。
NICOについてどう感じたか
I NICOを通して学んでいたとき、どう感じましたか?オンラインで勉強するのは初めてですか?
S はい、初めてでした。最初は緊張しました。
I どうして?
S 日本語の話し方がわからなかったからです。でも、勉強したいと思いました。NICOの受講を始めたとき、外国人のクラスメートに出会えたのは嬉しかったです。私や(一緒に受講した)姉にとって、最初は言葉の壁があって大変でした。でも日本語を学ぶには時間がかかりますよね。
I 先生やクラスメートと画面越しに出会うのはどんな感じでしたか?
S 最初はぎこちなかったですね。でもしばらく続けていたら、自然に感じるようになりました。
オンラインで勉強し始めた当初は、自分がそこに属していないような感覚でした。でも時間が経つにつれて、自分はNICOに所属していると感じられるようになってきました。
I 授業中にクラスメートと話しましたか?
S あんまり(笑)。でも、(会話練習などの)アクティビティがあるときは話しました。
高校でやりたいこと
I 高校では何をしたいですか?
S 勉強ですね。あとは友達作りと、バスケットボールがしたいです。
I フィリピンでもバスケットボールをしていたんですか?
S はい。大学で。私たちは選手権で何度も優勝しました。
私は、母が来てほしいと言ったので日本に来ました。だから私は、母と父を助けることができるように一生懸命勉強したいんです。両親は日本語がちょっとしか分からないので。
I ご両親はどんなお仕事をなさっているんですか?
S 二人とも工場で夜勤をしています。大変な仕事だと思いますよ。
彼の夢
I 将来の夢はありますか?
S はい、夢は警察官になることです。
I 日本で?
S どこででも。
メッセージ
I NICOの受講を検討している人にメッセージをください。
S もし日本語を勉強したいのなら… 日本語を勉強するのは最初は大変ですが、続けていれば分かるようになってきます。私だって、まだ勉強中です。
日本語を学ぶには時間がかかりますよ。ある時パッと急にできるようになるようなものじゃありません。時間がかかるんです。
そして忍耐。「忍耐は美徳なり」と言われている通りですね。